ECサイトを運営していると、「アクセスはあるのに、なかなか購入につながらない」「商品には自信があるのに、競合商品ばかり売れている」「商品画像を増やしたけれど、売上があまり変わらない」そんな悩みを感じることがあります。価格を見直したり、広告を出したり、商品名や検索キーワードを調整したり。売上を伸ばすためにできることはいろいろありますが、意外と見落とされやすいのが「商品画像の見せ方」です。ECでは、実店舗のように商品を手に取ることができません。だからこそ商品画像は、単に商品の見た目を伝えるためだけのものではありません。商品画像は、画面の向こうで商品の魅力を伝えてくれる「接客スタッフ」のような存在です。何を、どんな順番で、どう見せるか。その違いが、商品の「伝わり方」を大きく左右します。今回は、ECサイトで購入につながる商品画像を考えるときに、押さえておきたいポイントをご紹介します。「きれいな画像」と「売れる画像」は、同じではない商品画像というと、「もっとおしゃれにしたほうがいい」「高級感のあるデザインにしたい」「目立たせたい」といった“デザイン”に目が向きがちです。もちろん、きれいでおしゃれな画像であることは大切です。ただし、きれいな画像=売れる画像とは限りません。大切なのは、「この1枚で、お客様に何を伝えるのか?」が明確になっていることです。例えば、収納力が特徴のバッグなのに、商品の着用写真ばかり並んでいたらどうでしょうか。見た目は分かっても、「実際にどのくらい入るの?」という購入前の疑問は残ったままです。20Lと文字で書くだけではなく、ノートPCや財布、ペットボトルなどを実際に収納した画像があれば、使ったときのイメージはぐっと具体的になります。「特徴が書いてある」のと「魅力が伝わっているか」は別物です。商品画像を考えるときは、デザインだけでなく「何を伝えるための1枚なのか」まで考えてみましょう。1枚目は商品の「入口」。まずクリックされなければ始まらない商品画像の中でも、特に重要なのが1枚目です。モールでは、商品ページを見る前に、検索結果の中で複数の商品が比較されます。そして、比較されるのは商品画像1枚目。なので、1枚目の商品画像には、「クリックして商品をページへ呼び込む」という役割があります。どれだけ2枚目以降を作り込んでも、商品ページを開いてもらえなければ見てもらえません。商品が小さく見えていないか。競合商品と並んだときに特徴が分かるか。スマートフォンの小さな画面でも、何の商品なのか認識できるか。商品ページの中だけを見て画像を作っていると、この視点が抜けてしまうことがあります。1枚目は「商品ページの中」で見るのではなく、「検索結果の中」で見る。画像単体の完成度だけではなく、実際に競合商品と並んだときにどう見えるかまで確認してみることが大切です。2枚目以降は「1枚1役」。画像の順番にも意味を持たせる商品画像を作るときにおすすめしたいのが、「1枚の画像に1つの役割を持たせる」という考え方です。伝えたいことがたくさんあるからと、1枚の画像に特徴や説明を詰め込みすぎると、結局何を伝えたい画像なのか分からなくなってしまいます。例えばバッグなら、2枚目は一番伝えたい特徴。3枚目は収納力。4枚目はサイズ。5枚目は実際に持ったときのイメージ。6枚目は利用シーン。7枚目は素材や細かな機能。というように、それぞれに役割を持たせます。さらに大切なのは、「何を載せるか」だけではなく「どの順番で見せるか」。画像を順番に見ていくだけで、「こんな商品なんだ」「ここが便利なんだ」「自分にも使えそう」と、商品の魅力が自然に理解できる流れを作ります。商品画像を1枚ずつ独立して考えるのではなく、画像全体をひとつの“接客シナリオ”として設計する感覚が重要です。スペックを「自分ごと」に変える画像を商品の特徴を伝えるときにありがちなのが、スペックだけを並べてしまうことです。「幅50mm」「容量20L」「撥水素材」「重量500g」もちろん、こうした情報も購入判断には必要です。ただ、お客様が本当に知りたいのは、その数字や機能だけでしょうか。例えば「容量20L」なら⇒「20Lだから、これだけ入る」「撥水素材」なら⇒「雨の日でも使いやすい」「手で切れるテープ」なら⇒「ハサミを用意しなくても、その場ですぐ使える」というところまで伝える。実際に収納している場面、水を弾いている様子、手でテープを切っている場面を見せれば、スペックが一気に「自分が使ったときのイメージ」に変わります。機能を見せるだけで終わらず、その先にある便利さまで見せる。ここまで画像で伝えられると、商品の魅力はより伝わりやすくなります。「何を載せる?」ではなく「お客様は何を知りたい?」では、何の画像を作ればいいのでしょうか。ここで一度、商品の特徴から離れてみます。代わりに考えたいのが、「この商品を購入する前に、お客様は何を知りたいだろう?」という視点です。「サイズはどのくらい?」「どうやって使うの?」「どんな場所で使える?」「他の商品とは何が違う?」こうした疑問をひとつずつ洗い出してみます。そして、その疑問に対する「答え」を商品画像にしていきます。そうすると、「あと1枚、何の画像を作ろう?」ではなく、「この疑問に答える画像がまだない」という考え方ができるようになります。商品画像を増やすこと自体が目的なのではありません。購入を迷う理由を、画像によってひとつずつ減らしていく。言い換えれば、商品画像は「買わない理由」を減らすためのものでもあります。PCでは読める。でもスマホでは?商品画像をPCで制作していると、意外と忘れてしまうのがスマートフォンでの見え方です。PCでは読みやすかった説明文も、スマートフォンではかなり小さく表示されることがあります。せっかく商品の特徴を詳しく書いていても、読まれなければ、書いていないのと同じです。そこで意識したいのが、「読ませる」より「見せる」こと。・短いキャッチコピー+使用イメージ・サイズ表記+比較できる写真・機能名+その機能が伝わる写真など、画像をパッと見ただけでも、ある程度内容が理解できるようにします。「3秒見れば、何を伝えたい画像か分かるか?」そんな視点で確認してみるのもおすすめです。商品画像を作ったら、PCの制作画面だけで確認せず、実際にスマートフォンで商品ページを開いてチェックしてみましょう。商品画像は「作って終わり」ではない商品画像をすべて用意したら完成。……としたくなるところですが、EC運営ではここからが大切です。例えば、「検索結果には表示されているのにクリックされない」のであれば、1枚目の商品画像を見直してみる。「商品ページへのアクセスはあるのに購入されない」のであれば、商品の魅力や購入判断に必要な情報が十分に伝わっているか確認してみる。「特定の商品だけ転換率が低い」のであれば、売れている商品との画像構成の違いを比較してみる。数字は、商品画像を見直すためのヒントにもなります。さらに、同じように競合も日々、商品画像の工夫と改善を重ね、少しでもアクセス・売上を上げようと努力しています。「なんとなくデザインを変えてみる」のではなく、数字と商品ページを一緒に見ながら改善点を探していく。商品画像も、広告やSEOと同じように、公開後の反応を見ながら育てていくものと考えてみてください。まとめ|商品画像は、24時間働く「オンライン接客」ECサイトの商品画像で大切なのは、単に商品をきれいに見せることではありません。検索結果で商品を知ってもらい、特徴を理解してもらい、実際に使う場面を想像してもらい、購入前の疑問や不安を解消する。商品画像には、それぞれの段階で役割があります。実店舗であれば、商品を手に取ったり、スタッフに質問したりすることで分かることも、ECでは画面上の情報から判断しなければなりません。だからこそ、商品画像は24時間、画面の向こうで商品の魅力を伝えてくれる「オンライン接客」とも言えます。「商品には自信があるのに、なかなか売上につながらない」そんなときは、価格や広告、SEOだけでなく、商品画像にも改善の余地がないか一度確認してみましょう。「この商品画像は、お客様が知りたいことにちゃんと答えられているか?」この視点で見直してみると、今まで気づかなかった改善ポイントが見えてくるかもしれません。