EC運営で売上が伸びないとき、現場ではまずこういう話が出やすいです。商品登録が追いついていないページ更新が遅れているバナー差し替えができていないセール準備がギリギリになっているたしかに、こうした作業の遅れが売上に影響することはあります。でも実際には、それだけではないことも多いです。売上が伸びない理由には、大きく分けて2種類あります。作業の問題と戦略の問題です。この2つを分けずに考えると、とにかく作業を増やすとにかく更新を頑張るでも数字は大きく変わらないという状態に入りやすくなります。今回は、売上が伸びないときに作業の問題と戦略の問題をどう分けて考えるかを整理します。まず、作業の問題とは何か作業の問題は、やるべきことは見えているのに、実行が追いついていない状態です。たとえば商品登録したい商品が溜まっている更新したいページが後回しになっているセール準備が間に合わないバナー差し替えや訴求反映が遅れている画像修正やページ調整に着手できないこういうケースでは、課題は比較的わかりやすいです。何をやるべきかは見えている。でも、手が足りない。時間が足りない。差し込み作業が多くて進まない。この場合、必要なのはまず実行を支えることです。つまり、作業の問題に対しては手を増やす、運営を支える、負荷を分けるという打ち手が合います。次に、戦略の問題とは何か一方で、戦略の問題はそもそも何を優先して改善すべきかが整理されていない状態です。たとえば何を直せば売上につながるのか分からない施策が多すぎて優先順位が決まらない商品ページを直すべきか、広告を見るべきか迷うそもそも今の数字をどう見ればいいか分からない更新はしているのに、どこに効いているのか見えないこの場合は、ただ作業を進めても大きく改善しないことがあります。なぜなら、問題は「動けていないこと」ではなく、どこに向かって動くべきかが整理されていないことだからです。つまり戦略の問題に対しては、まず必要なのは課題整理数値確認優先順位の判断施策設計です。よくあるのは「戦略の問題を作業で解決しようとすること」ここがかなり多いです。売上が伸びないとき、現場ではどうしても「とにかく何かやらないと」となりやすいです。そこでページを更新するバナーを変える商品を増やす特集を作ると、動きます。もちろん、それが必要なこともあります。でも、もし本当の問題が戦略側にあるなら、作業だけ増やしても伸びにくいです。たとえば本当は訴求の方向がズレている本当は商品構成の見せ方に課題がある本当は導線が弱い本当は広告とのつながりが切れているこういう状態なら、更新量を増やしても、根本は変わりません。つまり戦略の問題を、作業量で埋めようとするこれが、売上が伸びないときによく起きるズレです。逆に、作業の問題なのに戦略ばかり考えてしまうこともある反対に、こういうケースもあります。何をやるべきかは見えているでも手が足りない毎日の運営で埋まっている改善したくても着手できないこの場合、本当は必要なのは手を空けることです。でもここでずっともっと戦略を考えようもっと分析しようもっと企画を練ろうとやっても、現場は進みません。やることが見えているのに動けないなら、課題は戦略ではなく、実行体制です。つまり作業の問題なのに、考えることで解決しようとするこれもまた、よくあるズレです。分けるために見るべきポイント作業の問題か、戦略の問題かを分けるときは、次の問いを使うと整理しやすいです。1. やるべきことは見えているか見えているのに進まないなら、作業・体制の問題の可能性が高いです。2. 何から手をつけるべきか迷っているか迷っているなら、戦略・整理の問題の可能性が高いです。3. 更新や登録が追いつけば改善しそうかYesなら作業寄り。Noなら戦略寄りです。4. 動いているのに数字が変わらないかそれなら、作業不足ではなく、打ち手の方向に課題があるかもしれません。実際は、両方絡んでいることも多いここまで分けてきましたが、現実のEC運営では作業の問題と戦略の問題が両方あることも多いです。たとえば本当は戦略を整理したいでも毎日の作業で時間がないだから改善に着手できない結果、売上が伸びないこの場合は、まず作業を支えて余白をつくるそのうえで戦略を整理して改善を進めるという順番が必要になります。ここを分けて考えられると、「とにかく何かやる」から抜けやすくなります。まとめ売上が伸びないときは、まず課題がどちらなのかを分けることが大切です。作業の問題→ やるべきことは見えているが、実行が追いつかない戦略の問題→ 何を優先して改善すべきかが整理されていないこの2つを混ぜると、作業で解決すべきなのに考えすぎる戦略で解決すべきなのに作業だけ増やすというズレが起きやすくなります。だからこそ、売上が伸びないときはまず足りないのは手なのか、整理なのかを見極めることが大切です。